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視察報告 広島県呉市 小中一貫教育の取組について

(2018年2月の視察報告です)

呉市では、中1ギャップの解消と自尊感情の向上のため、平成19年度より全ての中学校区で小中一貫教育を実施している。現在は中学校28校、小学校55校あり、中学校1校に対して1~2校の小学校で一貫校とし、1~4学年(前期)・5~7学年(中期)・8~9学年(後期)区分とし、自尊感情が急激に低下すると言われる思春期を5~7学年で迎えられるようにしていると同時に、小学校中学校それぞれの担任による一部乗り入れ授業や、一部教科担任制、小中合同授業などを実施している。
校舎は既存のものを利用しており、隣接する校舎を渡り廊下などでつないで一体型とするものと、離れた校舎のままで分離型とするものの2つの形がある。

取組の中では、小中一貫教育推進コーディネーターを各校1名配置し、中学校と小学校そして工区外をつなぐ役割をしている。また、小中一貫教育推進加配講師措置により、分離型の中学校へ教員を加配し、離れた校舎での乗り入れ授業を円滑に進められるようにしている。また、平成19~22年を第1期、平成23~26年を第2期、平成27年~32年を第3期とし、第1・2期は中1ギャップの解消と自尊感情の向上を、第3期では主体的な学びの創造をテーマとして、期間中複数校で2年間の研究指定を行い、2年目に研究公開している。

当初一貫校への否定的意見もあったが、現在は乗り入れ授業の取組などにも9割の保護者が効果ありと認めており、生徒へのアンケートからは自尊感情が向上していることが伺える。また、10年前の呉市の学力は広島県や全国平均よりも低かったが、近年では県・全国平均を上回るようになり、一連の取組が実を結んだものと考えられている。呉市の近隣市でも、小中一貫教育が増え始めているという。

通常の小学校では6年生がリーダーシップをとることで各々が感じることのできる責任感・自尊感情などの良い効果が、小中一貫の取組の中では6年生の学年がリーダーシップを発揮できる機会がなくなってしまうことにより実感できなくなりがちではあるものの、思春期の多感な時を安定した環境で過ごせることの効果は大きいと思えた。足利市でも研究していきたい。

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