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家族のために本当に大切なこと

授乳中に発覚した乳がんと闘病していた友人が、他界しました。
35歳。幼児の母です。

彼女は、自分と同じ思いは誰にもしてほしくないと言って、
がん検診や、自分の体を思いやる事の重要性を訴えていました。
私の広報紙に彼女が寄稿しててくれた文章を
多くの方に読んでほしいと思い、ここに掲載します。
彼女の想いが多くの人に伝わりますように。

家族のために本当に大切なこと—————————–

私は乳がん罹患者です。
乳がんが発覚したのは2012年12月で病状はステージⅣ、
リンパ節と骨への転移があり治癒は困難。
という事で延命のための治療をするしかできない状態でした。
そもそも、何故発見が遅れたのか…
自分の体を大事に出来ていなかったからだと思っています。

当時息子は1歳8か月を迎える所で、減らしてはいましたがまだまだ授乳中でした。
そのため私自身はがん検診をする気が全くありませんでした。
がん検診の受診表に書いてある「妊娠中、授乳中の方は受けられません」という言葉の意味を考えたこともないのに「受ける必要がない」と勝手に思いこんでいたのです。
なので、自覚症状としてあった胸の張りは乳腺炎、腰痛は当時していた仕事のせいだと思っていました。

それだけでなく、そのどちらの症状も異常と言える状態だったのに
ちっとも改善しない治療をずっと続けていました。
小さい息子の育児に追われ、なかなか先生に言われた通りの通院ができなかったのですが、もっと自分の体を思いやっていれば病院でも「やっぱりおかしいからもっときちんと調べて!」と言えて、もう少し早い段階で発見出来たのではないかと思います。

その後私は仕事を辞め、息子には突然の断乳を強いる事になりました。
また、骨への転移のせいで抱っこも満足にできなくなりました。
幼稚園で運動会の親子競技のような物も一緒に出られません。
何よりいつまで一緒にいてあげられるのか…

子どもを持つお母さんや仕事をする女性は少し体調が悪くても無理をして頑張ってしまい、
自分より家族や仕事を優先してしまう事が多いように感じます。
けれど、それは本当に家族のためになっているでしょうか?

私のように手遅れになる前に、がん検診を受けて欲しいです。
早期発見できれば治療法も選べます。
家族のために本当に大切なこと…そこを今一度考えてみて下さい。

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以前、妊娠中・授乳中の乳がんについて の記事を投稿しました。

彼女の経験を元に、
啓発と、市の認識・対応等の変更を求め、平成26年度から反映されることになりました。
これにより、市から送られるクーポンの乳がん検診についての注意書きが
『妊娠中または妊娠の可能性のある方、授乳中の方は受診できません』
から
『自覚症状などの心配なことがある方は、医療機関にご相談ください』
に変わりました。
妊娠中・授乳中でも、痛みやしこりがあったり、何かおかしいと思った場合には医師に相談することをお勧めします。

がん検診、クーポンについては後日別の記事に掲載します。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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