○上越市 クリーンセンター
上越市クリーンセンターは、平成29年より供用開始された新しい施設。施設規模が1日170トン(85トン×2炉)と足利市が目指す新焼却施設と同規模である。処理方式は全連続燃焼ストーカ式焼却炉、設計・建設・運営・維持管理を一括発注するDBO方式(公設民営)ある。元々上越市では、DBで発注した者のオペレート(O)を民間発注するというやり方をすることがあり、一括した方が経済効果が高いと思われるため、今回はDBOにしたという。
総事業費124億円(国庫補助金44、市債40億のうち95%が合併特例債)、契約期間20年である。発電量は最大6290キロワット、発電効率26.4%、施設内節電設備。契約時の売電提案に満たなかったらその分返金という契約となっている。
上越市のゴミ処理事業で印象的だったのは、生ゴミを分別して生ごみ用の指定袋で出し、民間事業者が資源化していることである。また、クリーンセンターが子どもの施設見学を意識した作りとなっており、ゴミの分別の仕方クイズや、1人当たりが出す1日・1ヶ月・1年のゴミの重さを体感する設備、ゴミクレーン操作ゲーム、発電量を体感する仕組みなどがあり、楽しみながらゴミについてを知る設備が整っていた。本市の目指すクリーンセンターと同規模であり、そのまま取り入れたいものが多くあり、今後の足利のクリーンセンターを考える上で大変参考になった。
○群馬県前橋市 子ども家庭総合支援拠点
前橋市は、平成29年より『まえばし子ども家庭総合支援拠点』を設置している。子ども家庭総合支援拠点では、全ての子どもとその家庭、妊婦等に対して、専門的な相談や情報提供、訪問などによる支援が可能であり、主に児童相談所と市役所の通常の子ども・子育て支援事業の間を埋める役割を担っている。子育て世代包括支援センターを併せ持つことで、より広い対象に深くアプローチする事ができる。前橋市には、群馬県中央児童相談所があり、平成22年に「児童虐待通告に関する覚書」を締結して以来、家庭訪問等のソーシャルワークを市が担うなど連携が密にとられていた。
職員は、子ども家庭支援員3名、心理担当支援員1名、虐待担当専門員3名が配置されている。社会福祉士の有資格者は、生活保護担当から異動により確保されていた。生活保護担当の経験があると子どもを取り巻く環境に理解が深いため、業務に大変有益である。
担当者の話を聞いている中で、足利市の現在の体制でも子ども家庭総合支援拠点としての人員基準は満たしているため、特段の整備なしに拠点化できる事が分かった。職員の意識向上にも繋がることから、拠点化を検討していきたい。